妙高 神奈山 2010年6月5日

所要時間 7:24 関温泉−−7:38 林道終点−−8:04 ゲレンデ終点−−9:01 八方睨−−9:28 神奈山 10:03 −−10:51 ゲレンデ終点−−11:16 関温泉

概要
 関温泉から往復。登山口はスキー場ゲレンデ中腹を横断する林道で、車道が終わったらゲレンデ内の轍、標高1100mのリフト駅を過ぎてからは踏跡を登る。標高1200mの最終リフト駅から先で登山道が始まる。よく整備された登山道で危険箇所は無い。山頂は南側の展望はいいが、その他は数は少ないが立ち木があってすっきり見えない。



 既に6月に入り、アルプス級の山しか残雪を楽しめる場所はなくなってしまったが、飯豊ならまだ雪があるだろうと狙ったのだが週末は北方面ほど寒気の影響が強く、東北南部は雨の予報。飯豊日帰りは長時間かかるので雨に降られるのは勘弁願いたいし、下手をすると森林限界以上で雷の可能性もある。しょうがないので他に物色した結果、多少雪が期待できそうな妙高で唯一登り残しの神奈山に思い当たった。標高は約1900m、関温泉から登ると東向きの尾根を登るのでもしかしたら雪が楽しめるかもしれない。まあ、無ければ無いで諦めるけど。この標高に登れる気温もそろそろおしまいだろう。

 妙高PAで仮眠し中郷ICで降りて南下、関温泉目指して上がっていく、天候は晴れ間も見えて安心していたのだが、関温泉駐車場に車を置いたら土砂降りの雨が降ってきた! この付近でも寒気の影響が出て天候が不安定らしい。出鼻をくじかれ雨が止むまで少しだけ寝ることに。結局、雨は断続的に降ったり止んだりで出発は7時を過ぎてしまった。まあ、今日の行程は短いので問題ない。残雪状況が不明なので、とりあえずピッケルと6本爪アイゼンを持った。

関温泉駐車場を出発 ゲレンデに向かう
ゲレンデに出たが登山道見当たらず ハイキングコースの標識

 今日は車に積みっぱなしのエアリアマップしか持ってこなかったので、エアリアマップを見ながら登山口を探す。温泉街のすぐ下部にあるように書かれているがそれらしき標識は無く、宿の隙間から裏手のゲレンデに出て登山道が無いか見回したがゲレンデを横切る林道以外に道は見当たらない。エアリアマップでは2本のリフトの東側に登山道があることになっているが、そこはどう見ても藪の斜面で道があるとは思えない。エアリアマップを見るとどうせゲレンデを登るようなので林道を歩いて高度を稼ぐのがいいだろうと林道入口に行くと「ハイキングコース」なる小さな標識が出ていた。おいおい、どこに至るコースなのか書いていないではないか。でもこの辺では神奈山コースしかないはずなので、これを辿ればいいに違いない。

林道を歩く 関温泉を見下ろす

 林道入口は少し土が盛られて車が入りにくいようにしてあるが、一般車進入禁止等の看板は出ていない。しかし少し入ると道が荒れて一般車で入るのは不可能ではないが躊躇される路面状況となり、オフロード車以外は歩いた方がいいだろう。ぬかるんだ部分もあって雪が無いのにチェーンを巻いて走行した跡が残っていた。これから雨が降ったら泥沼かな。

 道が大きく左に曲がると右手にレストランの建物が登場し、まともな林道はここまでだった。この先は轍はあるがジムニークラスのオフロード車でないと苦しいだろう。雨は降っておらず薄日が差すくらいに回復してきたが、この時期に日差しが出るとこの標高ではクソ暑く、虫が群がってくる。まだ虫除けは車に置いてきたままで、頭に群がる虫は手で払うしかない。やっぱりもう標高2000m以上を狙わないと駄目だなぁ。

車道終点。この先は轍を歩く 標高1100mのリフト駅付近。ここから踏跡を歩く

 標高1100mのリフト駅で轍は終わり、特に標識は無いがその先は斜面に踏跡があったのでそれを辿ることにする。斜面にはポツポツと蕨が生えて長野のこの時期のゲレンデらしい風景だが、イワカガミの群落にはちょっと驚いた。スキー場のゲレンデで見たのは初めてだ。そのうちに夏草に埋もれてしまうのではないだろうか。

踏跡。ちと薄いかも 標高1200m最終リフト駅
ゲレンデ終点登山口 ブナ林の道が続く

 送電鉄塔を通過して再び稜線に出ると最終リフト駅に到着し、ゲレンデもここで終わりになって樹林の尾根上に明瞭な登山道が現れる。ここから先は普通の登山道で歩く場所は明確だ。樹林に入って涼しくなったせいか、まとわり付く虫の数はぐっと減った。尾根はブナを中心とする落葉広葉樹林で既に芽吹きが進んで新緑に覆われていた。標高が上がると雲の中に入ったようでガスに包まれ、気温が下がって心地よかった。

崩壊箇所。でもちゃんと道が付いている 唯一のまとまった残雪帯

 登山道は大半は尾根上に付いていて地形図のように尾根南側を通っている区間は無く、標高1350〜1400mくらいは北斜面を巻いていた。この巻き道で残雪帯が1箇所、斜面崩壊箇所が1箇所あったが、アイゼンやピッケルを出す必要も無く登山靴のまま通過できた。尾根に戻ると雪はきれいさっぱり消えてしまう。

再び尾根上に戻る 八方睨から1750m肩を見上げる
シラネアオイ。あちこちに咲いていた イワカガミも多かった

 稜線上の木々は徐々に高さが低くなり場所によっては展望が開けるところもあるが、下界は一面の雲海に覆われているし妙高山も雲がまとわり付いてイマイチよく見えなかった。それでも朝の雨を考えればマシだろう。もう雨が降る気配はない。標高1679m地点には「八方睨」との標識があったが戸隠の八方睨のような岩峰ではなく危険箇所ではなかった。ここから斜度が増して最後の登りになるが、神奈山にも雲が絡んでいた。

開花した笹 1800m肩から見た神奈山

 登りにかかると登山道脇の笹に花が咲いているのが気付いた。笹の花を見るのも久しぶりで、10年近く前に南ア北部で見て以来だろう。その後、南ア北部では広範囲で笹が枯れて大唐松山などは90年代はひどい笹薮だったそうだが私が登ったときには笹薮の中心地は全て枯れて楽ができたのだった。ここも広範囲で笹が枯れるだろか。ただ、周囲を見ると花を付けた笹は少数派で、今年芽を出したもののみが花をつけているようだった。でもこういう場合でも株全体が枯れるのかな? まあ、ここは登山道があるので笹が枯れても残っても登山者にとっては大きな影響はない。影響するのは登山道を整備する人の方だろう。

そろそろ山頂 振り向けば雲海

 少し傾斜が緩むと北斜面に残雪が見られるようになるが稜線上はすっかり雪が消えたままで、僅かしか雪を踏む場面は無かった。いくら豪雪地帯の山とはいえ、この時期でこの標高では無理もないか。来週からはアルプス級に移行しない限りは残雪は無いな。それにそろそろ梅雨入りの時期だし。日本海側は少し梅雨入りは遅くなるが梅雨が無いわけでもない。来週からは既登山の山になってしまっても涼しい山を選んだほうがいいか。

神奈山三角点 三角点先の広場
文字が消えたMWV標識 神奈山から見た北方
神奈山西から見た妙高山
神奈山西から見た火打山

 傾斜が緩むと三角点が登場、ここが神奈山山頂だが広場は少し先にあり、そこに山頂標識があった。南側は低い笹で展望がいいが相変わらず雲海に覆われて遠い山は見えず、雲の切れ間から妙高山だけが見えていた。後で火打山までどうにか見えるようになったが、他の山は見ることはできなかった。山頂では木が邪魔で西側の展望写真を撮影するにはイマイチだったので西側の1890m肩まで移動して写真撮影した。大蔵山はすっかり雪が消えて真っ黒だった。

 しばらく休憩したが日差しがある割には気温は低めで体を休めていると涼しく快適だった。きっと下界は雲の下で暗く寒かろう。先週の大嵐山でも同じような天候だったな。でも今日は会津は雨かな。

帰りの1200mリフト駅 林道入口(関温泉)もガスの中

 休憩中も誰も登ってくる人はおらず、独り占めした山頂を後に下山開始。標高1700mくらいで雲の中に突入して涼しい霧の中を歩く。晴れていた山頂よりも気温が下がっているようだ。ゲレンデに出てもまだ雲の中で涼しく、登りでまとわり付いてきた虫は下りでは皆無だった。ゲレンデを下っていくと山菜取りの人の姿が見えた。登山者らしき姿は1名だけだったが、ちと出発時刻が遅すぎで登山が目的ではなかったかもしれない。関温泉も霧に包まれて寒いくらいで、道路を行く車はライトを点けて走行していた。

 

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